Mariko

キングのMarikoのレビュー・感想・評価

キング(2019年製作の映画)
4.0
『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』を原作としたとのことだけれど、かなり大胆に脚色されている印象。いちばんそう感じたのはフォルスタッフの扱いで、原作ではヘンリー五世が即位すると追放されて死んでいたはずなのに、今作ではティモシー・シャラメ演じるハル(ヘンリー五世)が唯一心を許す相手として軍事参謀に抜擢する、どころかそれでいちばん良いところを持っていくというもはや主役扱い! と思ったら、フォルスタッフ役のジョエル・エジャトンが脚本にも製作にもメインで参加してると。納得笑。

このジョエル・エジャトンが主役級とすると、助演で凄かったのがロバート・パティンソンとショーン・ハリス。
ロバート・パティンソンは、フランスの軽薄な王子なのだけど、これがイギリスを小馬鹿にしてる感満載で喋る(たぶん、わざと)片言の英語が上手過ぎて唸る。終盤のスラップスティックか!とツッコミたくなる場面はノリ過ぎだけど素晴らしい笑。
かたやショーン・ハリスは、ヘンリー五世を先代から引き続き支える参謀役なのだけど、この微妙な存在感が良い。そして終盤のとある場面で、その微妙さの答え合わせがされた感最高!この人見たことある?この声知ってる?と思いながら誰なのかずっとわからず、結局エンドクレジット見た後にググったらミッション・インポッシブルのすげー嫌らしい敵役だった!顔全然違うけど、なぜか納得(笑)。

じゃあティモシー・シャラメはどうなのよ、というと、これが苦悩の王(一度も嬉しそうな顔を見せない!)として、この個性豊かすぎる脇役を従えるに十分な、孤高の存在としてそっと君臨していて、これ以上のキャストはなかろうという適役ぶり。
満足度高し。
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