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ビューティフル・ボーイのmjnkのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
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2024/03 CS録画。薬物依存症の息子と父の話。父と息子それぞれが書いたノンフィクション本がベース(息子さんはNetflix『13の理由』の脚本家さんだそう)。前半「ポエティックでオシャレ過ぎるんじゃないかなぁ」と思っていたんですが、ある瞬間に急に「虚しい」と強烈に思ったので、多分これはこれで良いんだろうな。
ただ、序盤のいくつかのシーンはやっぱり引っかかる(特にSigur Rósのくだり)…と思ったんですが監督は「Sigur Rósのシーンはとても上手くいった」とコメントしているよう。うーん。※Sigur Rós自体は凄く好き。

父に対して「もうやめてあげて」と思うと同時に、息子に対しても「もうやめて」という気持ちになる。依存症自体はもう本人の力でどうこうの話ではなくても、家族にも適切な距離感ってあるよね、と考えたりしました。
また、『トラフィック』に出てくる女の子もそうでしたが、一見何の問題もなさそうに見える若い子がいつの間にか薬物に依存しているというのは怖い事だなと思います。

恐らく彼らには明確な理由はなく「まだ成長過程で不安定な頃に、たまたま身近なところに薬物があった」というふうに見える。父とのマリファナのシーンがありますが、父が「パーティではやる」と言うように、そもそも薬物との出会いのハードルが低すぎるんじゃないかと思います。次の薬物へ進むのも、購入も同じく。
同時に、もしそこに薬物さえなければ、手に取るものが他のものであれば、誰もが通るような「ちょっとした黒歴史を作った青春」程度で過ぎ去った時間だったんじゃないか。そんな事を考えたりしました。

内容とは関係ありませんが『ER』のアビーことモーラ・ティアニーを久々に観れて嬉しかったです。
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