まっつぁんこ

ビューティフル・ボーイのまっつぁんこのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
4.0
映画は麻薬中毒者の息子を持った父、デヴィッド・シェフの独白で始まる。
麻薬中毒者の息子ニックを演じたのは今をときめく俳優ティモシー・シャラメ。
デヴィッドにとってニックは自慢の息子。
4歳からの父子関係がモザイクのように鏤められながら進行する。
時系列が頻繁にいったりきたりするので最初はとまどう。
観終わった後で再構成して理解するほかなかろう。

ニックの両親は例によって離婚。
そのかわりに継母カレンと異母弟妹がいる。
実母とは離れているが家庭環境に大きな問題があるわけではない。
そんなニックの家庭環境だから、冒頭の父デヴィッドの独白が説得力を持つ。

間に過去の父と息子の絆シーンをはさみながら描かれるのは薬物依存とのstruggle。
抜けたようで抜けず、またぶりかえす無間地獄。
けっこう救いのない展開でとうとうデヴィッドはニックを見放してしまう。

いくら周りが助けようとしても、○○の◇◇がないと救えない。
自分たちのストーリーだから結末は見えている。
それでもなにげないところから始まる地獄の怖さを存分に見せてくれる。
本当にジャンキーに見えるティモシー・シャラメの演技は特筆もの。
とは言っても、本当のジャンキーを見たことないのでいい加減な感想と言えなくもない(笑)