夜ノ砂

The Witch/魔女の夜ノ砂のレビュー・感想・評価

The Witch/魔女(2018年製作の映画)
3.5
一つ間違えば嘘臭くなるようなテーマをリアルな演技と描写で魅せる力量にやられた。前半で地味めJKの日々を見せられたっぷり感情移入させられた後、窮地で表れた「魔女」の才能は、闇を切り裂く卓越した暴力という緩急に圧倒される。それは飲みやすい酒だと思って気づいたらノックアウトされていたような衝撃。

最初は素朴そのものに見えるジャユン(キム・ダミ)が淡々とした凶暴さを持つ悪魔へと自然にスライドするトラウマ寸前の不気味さが素晴らしい。

終盤の戦闘シーンでは、肉弾戦だけ打撃を受けた際のリアルさが若干弱まる感じはするものの弾バカスカ血ドバドバで遠慮のない暴力が全開。

暗く沈んだトーンの中でずしっとくる胸糞悪さ。それでいて応援したくなるポジションの「魔女」というバランス。意外な伏線を見事に回収する丁寧なストーリー展開。ダークな刺激いっぱいの見応え。
夜ノ砂

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