あーさん

愛がなんだのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

皆さん大絶賛の今作を、遅ればせながら。
タイミング逃しまくり、"街の上で"こそは観よう!と思っていたのに、やっぱりコロナが怖くて観に行けない。。
あーまたしても…と思っていたら、なんとこちらがアマプラに❗️
喜び勇んで、鑑賞の運びと相成り候 ♪

初・今泉力哉監督であったが、小さな世界を描きながら、どんどんスケールの大きいとこに持っていく手腕が冴えてるな、と。

これは恋愛映画であり、更に凡ゆる"愛について"深く問うた作品じゃないかなぁ。


角田光代の原作小説は未読。
女性特有の湿度の高い世界を描かせたらピカイチだから(紙の月、八日目の蝉)、覚悟はしていた。

が、、成田凌と岸井ゆきのというキャスティングの妙なのか、決して嫌な感じになっていない。
それどころか(最初こそテルコの拗らせ加減、マモちゃんのオラオラ具合がチラついたものの)、観ているうちにめちゃくちゃ惹きつけられて、最終的には、、面白かった〜!!

テルコが狂気を孕みながら、何故そこまで嫌な感じにならないのか?
それはもう、葉子が言うこの言葉に尽きる。
"どんなにどん底でも、死にたいとかそういうこと言わないテルちゃんのそこはえらいと思う"(大体こんな感じのセリフ)
ちゃんと引き受けてるのね。

あと、切ないストーカー仲間⁉︎ナカハラッチの一抜けた宣言に"うるせー、ばーか!"と悪態をつくテルコ。(からの、唾返し笑)
まともとか、まともじゃないのラインを超えてとことん振り切れてるのが、切ないを通り越して清々しくもある。

つまり、自分の中で腹落ちしてるのかしてないのか。もうそこは、すっごく大事なポイントであって。後悔してないよね、少なくとも。ずんずん突き進むよね。マモちゃん道!

テルコと同じ立ち位置のはずのナカハラッチが常識人に共感されるのは、そこに後戻りできる理性があるから。"幸せになりたいっすね"で止まれるナカハラッチ。
テルコはそこを易々と突き抜けて、実際に手の届かない幸せ?を掴もうとしてしまうのだ。。

クズ、、と形容されがちなマモちゃんだけど、そうかな?
正式に付き合ってるわけではないんだし、体の関係ができたからと
全部男の側に責任があるようになるのは、私は違うと思う。
対等な関係を築けない相手とそもそもそういうことしちゃ、ダメじゃん。テルコ、フライング!
もっと自分を大事にして、というのはテルコにとって、邪魔な外野の言葉に過ぎないのかもしれないけど。

擁護するわけではないが、どちらかと言えば追われると逃げたくなるマモちゃんの気持ちの方がわかる。
尽くし過ぎる人は苦手。。重い💦
(恋愛や結婚に関しては無理したくなくて、自然体で一緒にいられる人がいいな。何故か子どもと親には世話を焼いてしまうのだけど…)
結局、ダメにしてるのはどっち?ってなる。
ニワトリが先か、たまごが先か。

とにかく一般常識からうんと離れたところにいるのがテルコだから、"会社をクビになるほど好きな相手がいるなんて、ある意味羨ましい"と会社の後輩に言わしめるほどに(近々結婚する身だから、皮肉かな?)。
テルコはテルコの道をゆく!

テルコはマモちゃんが好きで、マモちゃんはすみれさんが好きで、すみれさんは明後日の方向いていて。
ナカハラッチは葉子が好きで、葉子は別の方を向いていて。

結局、愛とか言うけど、それは本当に愛なのか?というところに行き着く。

皆、相手を想う愛じゃなくて、自己愛の投影じゃないのかな、、って気もしてくる。

マモちゃんが好きというか、マモちゃんになりたい、と言ったテルコ。

ラストのあのシーンは、そこへ行くか⁉︎と思ったけど、そういうことなのか、とも。

私にはよくわからないけど、身近にそういう人がいるからわかる気もする。

憧れてるんだよね、きっと。
自分もあんな風になりたいって、心の中で思ってる。


んー、、
愛って、幸せって、なんだろうね❗️ないものねだり?
(→そう言えば、KANA-BOONの同名曲MVに岸井ゆきのが出てた♪)
人それぞれってことなのかな。
自分が納得していれば、、


江口のりこ、片岡礼子、筒井真理子。ベテランの女優陣の存在感も効いていた。

そして、若葉竜也!!
じわじわきてるね〜


Homecomingsの主題歌が、作品とマッチしててまた良い♪
あーさん

あーさん