恋をすると自分と他人の境目が曖昧になる、相手が好きなものを好きになったり、相手ならどう思うか、相手の視点から世界を見る。目玉や脳みその一部が相手と同期する。
それが行き過ぎるとテルコのように自分のことを客観的に見ることも出来なくなってしまう。ふと我に帰った時が恋愛の終わりだ。
でもテルコは田中守の手のキレイさしか客観的に見られていない。
仲原くんのことは可哀想だと、葉子に伝えられるほど分かっているのに。
自分に不釣り合いな状況に置かれると息が詰まる、その情景がよく描かれた映画だ。
終始会話のテンポが悪く、盛り上がらない。
すみれさんはノリがいい。自分のペースにどんな相手をも巻き込める。仲原くんも。
テルコがすみれさんを嫌いになれないのもよく分かる。
テルコほど恋に執着出来るのは感心してしまう。自分の場合、逆に自分に執着しすぎて相手が離れて行ってることにもいつも気づかない。