タカシサトウ

愛がなんだのタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 テルコの岸井ゆきのが、魅力はあるけれど、そんなにかわいくないところが、何だか、相手に好かれないことへのリアリティを高めていると思った。

 また、成田凌のマモルが、こちらも顔が悪いわけではないが、バカ男というか、自分勝手ぶりが、相手を好き勝手に使ってしまうことになって行く所が、ありそうで、何だか良かった。

 また、テルコとマモルの関係を浮かび上がらせることになるのは、ナカハラ(若葉竜也)から葉子(深川麻衣)への一方的な感情で、何でもいうコトを聞いてしまうことや、マモルがすみれ(江口のりこ)への一方的な思いが故の、すみれに気を遣っているブザマなさまが、構成としてとても良かった。

 最後に、マモルからテルコへの別れ話が、あのまま別れることになれば、きっちりするんだろうけれど、テルコが自分の気持ちを隠してマモルとの関係を引き留める所が、凄かった。

 結局元の関係にズルズルいってしまうのが、テルコらしいのかも。

 そして、ラストに、ゾウの飼育員になっているのがちょっとシュールだった(像の飼育員にそう簡単になれるとは思わないけれど)。ここまでやってしまうのは、テルコが壊れてしまったのかもしれないけれど。でも、このことで、もしマモルと別れられたのなら、その方がいいのだろうとも思った(マモルよりゾウの方が、余程健全なのでは)。

 今泉力哉監督作品は初鑑賞。なかなか良かった(2023.7.31)。