ずみ

愛がなんだのずみのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.9
一見、「愛とは何か」といった題材で、愛について真正面から向き合うふりをして、最後には「結局愛って人それぞれだし理解できないよね」と言い放つ変な作品だった。

最初にテルと仲原君が互いの愛(好き)にキモいと言っていたが、映画が進むにつれて視聴者が徐々にそのキモさを体感するような作りになっている。
最後の象は明らかに視聴者がゾッとするような演出のされ方をしていて、上手だなと思った。
(自分も「キモ!」って一瞬思っちゃった)

印象的だったのは温泉のシーン。
マモルがすみれに取られちゃうことを危惧するテルキッズと、「いつか忘れる」と言ってくる先輩ヅラした親方に、「うるさい」とテルが言っているのを見て、「この映画は愛の多様性が言いたいんだな」と思った。
でも一般的な多様性映画と違うのは、そんなに肯定してあげてないところ。
そこがよくわからなかった。
実は、「愛に依存するのはどんな形であれキモいからやめとけ」って言いたいのか。わからん。

愛がなんだと言うタイトルは、主人公目線で「一般的な愛の形と自分の愛の形はどうやら違うみたいだけど、だからなんだ」っていうことだと思う。
もうちょっと深い意味があるような気がして考えたけど思いつかなかった。

適度なあるあると、ちょっと切れ味のいい演出が散りばめられてていい感じに映画っぽかったけど、めっちゃくちゃ深い映画ではなかった。


あと雑な感想
・演技全員うますぎ。

・突然画面いっぱいに登場人物の名前が出る演出は、その登場人物の本音がわかるシーンの前に配置されてるのかなと思った。

・テルの服が最後青から赤に変わる演出(生まれ変わった的なやつ)が、よくある演出だけど好きだった。

・中原くんの写真展にあった空の写真が良かった(赤と青が入り混じってる感じの写真)
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