すみれさんが最もまともな人間だったのが面白いというか、年の功とも言えるし、周りが見えていて1番素敵な人だったな、、
テルちゃんは悲しいかな永遠にマモちゃんに囚われ続けるのだろうし、マモちゃんは最後まで自惚れの自己中だったな、きっと女の人はマモちゃんが会うのやめようとと言いに来た時のあのシーンに黙れこの野郎死ね！とか思うのかもしれないなとも思った。でも、マモちゃんなりの、勇気の出し方とか、葉子から電話を貰って言うまでの考え期間だけは、初めてきちんと人と向き合っていて、苦悩したんだろうなと思うと、少しだけ救ってあげたいような気持ちも湧く。中原くんと葉子はテルちゃんとマルちゃんとは逆で、少しだけ人と人との関係として成長したんじゃないかな。中原くんとテルちゃんは立場は同じでも、よく悩んで良いところと悪いところを考えた人と、全てを全肯定する人とで、きっとこの先が変わるだろう。葉子が実はマルちゃんと同じポジションだというのがとても面白い。
この映画は決してハッピーエンドではない。少なくとも、私はこの映画に悲しい気持ちを覚える。哀れというか、同情というか、報われないとも思う。ただ、私も含めた皆が、本当の幸せになれたら良いなと祈るばかりだ。そして私も叶うのなら、中原くんのような、苦しい時も幸せな時も、〜っすねの話し方をしたいな。現実を見て、苦しいことを受け入れて、認めて、その先の幸せまで俯瞰して、その結果絞り出された、幸せになりたいっすね、が、何とも苦しかったし、でも、落ち着くというか、勇気が出るというか、安心もした。彼は大丈夫だ。と、
岸井ゆきのは凄いな、小松菜奈、門脇麦の系譜だな、大女優になるぞ。
登場人物がそれぞれきちんと役割と何らかの矢印を持っていて、対比構図とて凄くよく出来ていると思うが、見せすぎではあると思った。もう少し分からなくてもいい。そっちの方が心地良い気がする。
