ぬ

愛がなんだのぬのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

もともとすきなひとにすすめられた映画でした。ほんとうはふたりでみにいくはずだったのに。でもきっと予定が合わなそうやなとおもってきょうようやくひとりで鑑賞。
体調が悪いのでまだ会社にいたら体にいいもの買って家来てよ、って守。自宅にいるのにまだ会社にいるよって、1時間くらいでそっちに着くから、っててるこ。そんなすきなひとにすきになってほしくてついたちいさな嘘からこの物語ははじまる。
守から連絡がくるたびに会って、ふりまわされて、守、なんでそんなことするん。という軽蔑でいっぱいでした。すきなひとから連絡をもらえるのはやっぱりめちゃくちゃうれしい、てるこさんのきもちはとてもよくわかります。よかれとおもってやったことが相手にとってはよくなくて、そういう生活の中のすれ違い、男女関係におけるありきたりな描写だなと思いました。
それから季節が変わって春。
ひさしぶりに連絡があったとおもったら、
守にもすきなひとができたということです。てるこはそれでも守に会いたくてすきなひとのすきなひとといっしょに三人で会うことが多くなりました。すきなひとの恋を応援したいっておもったんだろうな。

中原くんは写真を撮る男の子。
葉子さんというきれいな女性にふりまわされ、それでもすきです、すきでいてごめん、って。中原くんはいちど恋を諦めたのです。葉子さんのしあわせをねがって。
すきでいることがくるしい、限界だって。
このきもちもとてもよくわかる。付き合えないから自分の中で諦めたのです。わたしもそうしていました。いますぐにでもそうしたい気持ちはかわりません。
葉子さんに「さみしい夜はありますか?」ってきいたときのてるこさんがすきだった、すくいだった。

守がてるこさんの家に来て、もうあわないことにしようっていった。
てるこさんはいつまで自惚れてるんですか?っていった。
いつまでも守のことすきでいるわけないじゃん、って。
でもそれが強がりなのはわたしにはわかりました。
そんなてるこさんの気持ちも知らずに守は、よかった、もうおれのことすきじゃなくてって。
すかさずてるこさんはこれからはともだちでいようって。
でも、相変わらず守の手はきれいだね、って。
こんなうつくしいつよがり。まだわたしはすきなひとのことをほめる余裕があるんだよって、だからもう平気だよっていってるようで。
この台詞はほんとうにふるえました。

ここからはわたしの話ですが、
すきなひとにhomecomingsのcakesをすすめられて、こんどカラオケでうたってほしいっていわれました。だからたくさんきいた。家にいるとき練習もした。
そんなすきなひととの思い出の曲がエンドロールのはじまりとともに流れてきて、心身ともに死ぬと思いました。鳥肌が立ちました。すきなひとにちょっとずつ仕込まれた毒がまわってきました。
これからもわたしはすきなひとと仲良くし続けなくちゃいけないんだと思うとつらいです。
あなたからもらったたくさんのこと、抱えながら生きていかなきゃいけないのに、付き合えないなんて、もうそれだけでくるしいね。
ぬ