もとまち

闇動画2のもとまちのレビュー・感想・評価

闇動画2(2012年製作の映画)
3.4
『デジャヴ』
心霊映像ものでいつも感心してしまうのは、こんなにも禍々しいロケ地を毎回毎回どっから見つけ出してくるのか、ということ。この話のラストに登場する夜の吊り橋も本当に不気味。そして橋の上に置かれた赤い靴。突如消えてしまうアイドル。不意に独りぼっちになった時の凄まじい恐怖感。車が霊によってタコ殴りにされる時の音もすごい。霊そのものがさっぱり怖くないのと、相変わらず後日談的な付け足しがダルいのが残念。

『温泉旅館』
わけわからん。わけわからんが、なんの説明もなく撮影者の死亡だけ提示されるのがとりあえず怖い。最後の誰が発したのかも分からないけたたましい断末魔が耳にこびりつく。

『ストーカーの正体』
郵便受けから溢れ出る大量の紙人形。カタカタカタ......と揺れる郵便受け。紙人形をシンクで燃やすカット。随所に映画的な瞬間を挟んでくるところに、作り手の素晴らしいセンスを感じる。「ストーカー」がドアを叩く激しい音も心臓に悪い。話のオチは巧く纏めようとしすぎていて、恐怖が半減しちゃった感はある。伏線回収的な説明がダラッと続くのもマイナス。

『ある一家』


『思い出の校舎』
間違いなく本作のトリ。そのため恐怖描写も気合が入りまくりである。まず、夕方の廃校舎の入口にボーっと佇む土井先生の薄気味悪さ。まるで初期のJホラーのような、そこに「いる」恐怖があって実に素敵。続いて、異界から響いてくるかのような校内放送。ああ、こういうのが一番怖いんだ! 無人の放送室を映すだけのシーンにすら異様さが宿っている。そして極めつけは、土井先生の首吊り死体がついにご登場するところだろう。驚くべきは、ここで土井先生が物理攻撃を仕掛けてくるところ。バイオハザードのクリーチャーみたいにきったねぇ粘液を飛ばしてくるのだ。生首ひとつになってもなお復讐を挑んでくるあたりアッパレ。

『闇動画』の良いところは、ぼんやりした霊の恐怖と、アッパーでバイオレントな霊の恐怖を両方贅沢に楽しめちゃうところもあるのではないだろうか。
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