かるまるこ

ランボー ラスト・ブラッドのかるまるこのレビュー・感想・評価

3.4
【ランボー怒りの一人猿蟹合戦】
無垢な少女と、愚かな人間達によって、封印された殺人鬼が今眠りから目覚める!同じ印を刻まれることで少女の怨念が憑依し、殺人鬼は復讐の鬼と化す!死ねない不死身の殺人鬼の苦悩と心の闇。その深層心理の地下迷宮に迷い込んだ侵入者達が次々と殺人鬼の罠にかかる最新スラッシャームービー!

以上あらすぎるあらすじ(一部意訳)。

ゴア描写はそのままに(前作より若干薄め)、再びスラッシャー映画に。というかシリーズ中最も普通にスラッシャー映画(セックス中襲うし、無垢な少女がキーパーソンだし…)。

なので意外性と新味に乏しい。戦争とか内戦とか全然絡まないのでスケールが小さく感じるのも難点。

あと物凄くもったいないなぁと思うのがクライマックスシークエンスの描き方。
スピード感を重視し過ぎて、何かダイジェスト映像っぽく、雑な印象。
罠を仕掛ける前フリも中途半端。
どこに何の罠があるか観客が全部知ってるくらい徹底的に見せるか。
一切何も見せず、観客を罠にかかる側の視点に立たせるか。
どちらかに振り切った方が良かった。(後者だと敵方に感情移入してしまうリスクがあるので現実的には前者か)
いずれにしてもここは猿蟹合戦型の物語の肝なので、もっとじっくり慎重にやって欲しかった。
なんならラストのダイジェスト映像による過去作の振り返りシーンをここに持ってきてもよかった。
「俺は何も変わってない。蓋をしているだけだ」的な発言からも、「地下トンネル=ランボーの深層心理」なのは明らかだし、せっかくそういう描き方をしているならそれを生かさない手はない。
例えばトンネル内の敵にホースで水をぶっかけるとか過去作になぞらえた攻撃をして、そのあと昔の映像をフラッシュバックする感じで流せば、それが如何にトラウマだったのかがよくわかるし、ファンは過去の思い出にも浸れて一石二鳥だったと思う。
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