メッセージ性ゼロ。
あるのは、吐き出すまで決して収まらないランボーの怒りだけ。
故郷・アリゾナの牧場で平穏に暮らしていたのも束の間、メキシコの人身売買組織に狙われたランボー。
守る者も生きる道しるべもなくなり、残されたのは復讐のみ。
敵の襲来に備えて、ナイフを研ぎ爆薬を仕掛け、せっせと汗水垂らして下準備。
不毛にしか見えないが、
誰も幸せにしない憎しみのDIYにワクワクした。
落とし穴の下が針の山、のぞき穴から突き出した棒で頭蓋を粉砕など、原始的なワナの数々に翻弄される近代武装集団。
人体は、こんなに脆かったのかと思うくらい一瞬でグチャグチャになっていく。
ナイフがショットガンと同等の破壊力で恐怖した。
トップを残しお決まりの無線で死の宣告をしたあと、
比喩表現と思われた脅し文句を有言実行するエキセントリックな展開でコントのようだった。
おそらく本作で最後だろうが、
老年になってもベトナム戦争の苦い思い出が付きまとい、心が休まらず気の毒で救われない。
せめて大切な思い出だけを胸に余生を穏やかに暮らしてほしい思いもあるが、直前に惨たらしい大量殺人をやらかしているので、すっきりしなかった。