けーすけ

永遠に僕のもののけーすけのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
3.0
2020/11/14(土) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。

1971年、ブエノスアイレス。17歳の少年カルリートス(ロレンソ・フェロ)は小さな頃に他人の物を盗む事に目覚め、今となってはあちこちで盗みを働いていた。そんな時に学校で出会ったラモン(チノ・ダリン)と意気投合し、2人は様々な盗みを行っていくが、衝動的に殺人を犯し本能のままに生きるかのようなカルリートスにラモンは危機感を覚えるのであった・・・








実在した殺人犯をモデルにしたというお話。主人公・カルリートスが何のためらいもなく人を殺していくので、そういうのが苦手な人にはおすすめできないかな…。


カルリートスは報酬や金品にはあまり執着がなく、ただ物を盗む行為で得られるスリルや満足感、達成感が彼を突き動かしていたと感じた部分。
一方で仲間となったラモンの家族は泥棒を生業としており、泥棒は彼らが生きていく手段の一つであり、その違いの危うさがハラハラさせられたところでした。


「銃弾は値段が高いからいっちょ盗むか!」と最初にラモンと組んで銃砲店へ盗みに入った時も当初の計画から離れ、戦争でも始める気かよ…っていうほどライフルや拳銃を次々にカバンへ放り込んだり、金持ちが住むという家に忍び込み、家主に見つかった瞬間に躊躇なく銃をブっぱなすカルリートスがめちゃクレイジーでした。子供に銃を持たせたらいかん。


そんな感じで、ガンガン人を殺したり、盗みの現場証拠もバリバリに残ってて簡単に捕まりそうなのに捕まらないのが不思議で気になってしまった。実話ベースという事ですが、うまい具合にバレなかったのか、警察が頼りにならなかったのか、、、。



盗みや殺しの部分に共感は全然できなかったのですが、カルリートスを演じたロレンソ・フェロが超美形。ブロンドの巻き毛に厚い唇、白い肌。映画主演は実質初だったらしいですが、男から見ても終始「美しい・・・!」でした。
こんな顔してて平然と人を殺すのだから恐ろしい。

実在のモデルとなったカルロスもその美しいビジュアルから“ブラック・エンジェル”“死の天使”と呼ばれたそうで、原題の『El Angel』(天使)もそこから来ているのかと。


で、邦題は『永遠に僕のもの』になっているのですが、観始めた時は「息をするように盗んでいくから、そこらじゅうの物が全てカルリートスの物って意味合いかな?」とか考えていたのですが、終盤にカルリートスがラモンに対して起こす出来事で「ああ!なるほど」となりました。この邦題つけた人、凄い。


劇中BGMとして使われる音楽の演出が個人的にツボだったのと、オープニングにカルリートスが盗みに入った家で踊るシーンがあるのですが、ラストでのその対比がめちゃ好みでした。


ポスター・ジャケットでロレンソ・フェロの容姿を見て気になった人にはオススメな映画です。


[2020-171]
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