ーcoyolyー

永遠に僕のもののーcoyolyーのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
3.3
ずっと神木隆之介のことを考えていた。

なぜシスジェンダーでヘテロセクシュアルにも関わらず「魔性の少年」に夢見るおじさんたちの一群(以下ノンケおっさん)があるのだろうかと。
10年ほど前の神木隆之介がその手のノンケおっさんの玩具になってて、その手のおっさんノンケを隠れ蓑にしてやりたい放題で神木隆之介弄り倒して神木隆之介は笑顔で受け流しつつ馬鹿にしてて、その光景を見るたびに居た堪れなくなっていた。

細田と新海、お前らのことだよ。お前らの神木隆之介と一緒に登壇した舞台挨拶でのはしゃぎ方のことだよ。

あれは一体何がどうしてああなっているのか全く理解できないんだけど男性なら理解できるものあるんですかね?ああいう人らが「魔性の女」に託して見るものに関してはすんげぇ嫌だけど理解はできる、それから逃れ続ける人生でしたから。でも少年に魔性を託す心境か何なのか全然掴めない、気持ち悪さだけしか掴めない。

そんな扱いをされ続けた神木隆之介の人相の悪さが最近一線を超えたんですよ。ギリギリ踏み留まっていたところから遂に超えてしまった。子役上がりの優等生ロールモデル的な扱いされ続けてきたけど、やっぱああいうことしたらいけないんだ……と悲しくなる人相の悪さ。隠しきれなくなってしまった何かが崩れつつ迸っていて、子役という人生のハードモードについて思いを馳せていた。朝ドラ主役決まったのにこんなに人相悪くなってて、って私も神木隆之介という子役を消費した一般大衆の一員ですから傍観者ではなく完全に加害者であり、どう贖えば良いのだろう、とそればかり考えていた。この映画そっちのけで。

だってなんか映画の作りの詰めが甘くてゆるくてふわふわしていたから特に物申すこともなくて。こういう手合いの主人公として圧倒的に知性が足りてなくてただのチンピラでしかなくて、それはそれでビョルン・アンドレセンにも神木隆之介にもならなくて済むので安心安全ではありますし、制作陣にペトロ・アルモドバル入ってこれ?というのはありつつ、でもアルモドバルはビスコンティみたいなことやらないし細田や新海とも違うしその辺で私が気を揉むこともないので、ティモシー・シャラメでやり直したら?くらいですかね。ティモシー・シャラメもそんなに頭良くないけどさ、あの人頑張って背伸びして頭良さそうに見せようとするじゃん。そういう姿勢はこの映画に足りなかったし必要なものだったように思いました。
ーcoyolyー

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