ぱんだまん

永遠に僕のもののぱんだまんのネタバレレビュー・内容・結末

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

耽美で暢気。
欲望に誠実で楽観的。
だからこそ狂気。

画面は、日差しが差し込み青々として爽やか、音楽のせいもあるのか終始浮かれた雰囲気で、殺人鬼を題材にした映画とはとても思えない。だがそこにこそこの映画の本質があると思う。

主人公カルリートスはどこまでも純粋で、不法侵入や窃盗などもろともしない。むしろそれが日常で、盗品を親に渡す始末。ラモンやミゲルとの強盗の時でも、彼らが必死に宝石をかき集める中、カルリートスはふらふらと店内をほっつき回る。宝石を身に付けて「マリリン・モンローみたい」と。この純粋さが彼の凶行を一段と狂気じみさせる。また彼は絶世の美少年で、その妖艶な唇に惑わされる。しかし彼は平然と拳銃で眉間にぶっ放し、そのまま家でカツレツを食べれるのだ。まさに「黒い天使」にふさわしい。

彼の出は決して裕福ではないものの、だからといって貧しくもない。にもかかわらず普通に強盗を働き、人を殺せる。そこが『JOKER』とは違うところであり、むしろアーサーよりタチが悪い。

ただ少し気になるのは、終盤の涙だ。彼のあの涙は一体なんだったんだろうか…
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