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キング・オブ・トロール 勇者と山の巨神のmanamiのレビュー・感想・評価

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王女がどうしてそこまで結婚を嫌がってるのかの説明が足りないし、人となりの描写もほとんどないから、彼女に感情移入できない。脱走を応援する気持ちにもなれない。
それに二人のファーストコンタクトが心許なさすぎる。後に家族に背き命を賭してまで行動するにしては、最初に築かれる関係があまりにもうっすい。
たったあれだけの出会いで、こんな大冒険に挑むほどのモチベーションが生まれるとは、サイコパスもしくは偏執的ストーカー。
ただ、エスペンが良い子なのはまあまあ分かるよ。ガラクタにしか見えないものを「いいもの見つけた」といそいそと拾うなんて、子どものよう。「助けて」と言われたら、相手がどんな風貌だろうと素直に助けてあげるところもね。と言うか、中身がまんま子どもなんだろうな。今は仕事をする気分じゃないとか言っちゃうし。
王女と農民、トロール、魔女、森、沼、剣、ラストで活躍する「いいもの」と、冒険ファンタジー定番のディテールがてんこ盛り。今作ならではのアクセントになるのは、主人公と旅に出るのが二人の兄だってところか。
そしてこのお兄ちゃん達、末っ子に甘々。仕事もまともにこなせない上に家を燃やしちゃった弟を、あんなに気にかけてあげるなんて優しい〜。私もあんなお兄ちゃん欲しかったわ、子どもの頃。
そんな優しいお兄ちゃん達がリンゴきっかけで迷い込むシーン、『千と千尋の神隠し』のあの場面を食欲失せるバージョンにした感じでキツイ。虫が苦手な人は要注意!!

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