ワンシチュエーションサスペンスという一言では簡単に表現出来ない、とてもクレバーな作品。
訳あって一線から退き緊急ダイヤルのオペレーターとして勤務するアスガーという男のもとに 、誘拐されたという女からの一報が入ったところから事態が二転三転していく。
私が感じた本作の凄いところ。
緊急ダイヤルを受けているアスガーというワンシチュエーションだけでなく、声しか聞こえない登場人物が2人いること。
要は、アスガーと話している電話の向こうの2人は最後の最後まで姿が見えない。
本作を観ている者の想像力の中にしか棲んでいない。
ある意味、こちら側が試されているとも言える。
そして何より、アスガーを演じるヤコブ・セーダーグレンという役者の表現力が秀逸。
だからこそ、あのラストは衝撃。
姿が見えないというだけで、こんなにも思考を操られるのかと愕然としてしまった。
五感の節穴、的な作品。
serchシリーズを知らなければ、もうちょっと高スコアだった気がする。