紅蓮亭血飛沫

ライリー・ノース 復讐の女神の紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

アクションそこまで多くないもんで、なんか乗れなかったです…。
主演、ジェニファー・ガーナーの鍛え上げられた肉体には惚れ惚れさせられましたし、戦闘を重ねる毎に全身傷だらけ、埃まみれとなる様は、この手のスーパーソルジャー映画の醍醐味とも言えますね。

ただ、どうしても気になってしまう点が一つ。
中盤、復讐する組織のボスに銃を突きつけるも、ボスの娘が割り込んできて「撃たないで」と懇願。
その娘の姿に、組織によって殺された我が子を重ねてしまい、ライリーは無意識に銃を持つ力が弱まってしまった。
このシーンは正に“復讐の為とはいえ、子どもから親を取り上げていいのか”という倫理を問うシーンになっています。
今すぐにでも殺してやりたい復讐すべき相手、しかしそんな外道にも“父親”として慕う子がいる。
これでは復讐が復讐を生むスパイラルに陥ってしまいかねないし、何よりこの子にとって耐え難い辛さを味わわせてしまう。
この葛藤とライリーがどう向き合うのか、そこに注目していたのですが…結局はハッキリとした答えは出ず、ボスの娘なんて知ったこっちゃねぇよフィニッシュ。
ライリーに同情こそしますが、中盤の葛藤がある以上、その場面への答えを見出したわけでもない、開き直りともいえる程に“あんたの娘”といった話題すら出さず撃ち殺した結末はどうもしっくり来ないです。
ボスの娘、の件が有耶無耶にされてるわけですから、中盤でライリーが引き金を引けなかったのも“単なる尺伸ばし”としか認識出来ず、本作が一層盛り上がるであろう“倫理との葛藤”を自分から投げ出してしまった。
これは頂けないというか、めちゃくちゃ惜しいです。