はなよ

パピヨンのはなよのレビュー・感想・評価

パピヨン(2017年製作の映画)
4.5
気の遠くなるような閉塞感とスリル。見終わった後の疲労感が半端なかった。
主人公とともにショッキングな世界へ堕ち、独房で頭がいかれる感覚を味わった。
熱い友情も。
自伝が元とはおどろきだった。
利害関係を抜きに、善いこころに従う。難しいことだ。

殺人の濡れ衣をきせられた盗人と貨幣偽造の罪を犯したエリート金持ち。
自由も無く、同じ囚人からも命を守る狙われ、信じていた妻にも見捨てられるかもしれない。
何を目的に、何に希望を見出して生きていくのか。

刑務官を殺してしまったため、目の前でギロチン刑にされた脱獄を試みた仲間。
その仲間が人ではなく血と肉の塊になってしまったという恐怖。
淡々と描かれる処刑がとても残酷で、命の軽さがありありと分かる。
自由に暮らせていた祖国と遠く離れた、全くの異次元の世界に迷い込んだ二人。

自由になりたい欲求を持つ者と、生きたいという欲求を持つ者。
お互いの存在が1日を生きる意味になる。
離れていても、顔を見ることも、話すことができなくても。
何という強固な信頼関係だろう。

最後に、違う道を選んだ二人。
ドガじゃなくて、初めてルイって呼んでた。
別れの抱擁と握手、お互いを見つめる目線がとても素敵だった。

ハナムの肉体や表情の変化がすごかった。
かっこいいなーーすき。

本も読んでみたい。
はなよ

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