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CLIMAX クライマックスの440のレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
4.3
超絶ご機嫌な人たちを見届ける地獄

躍動感と不快感が入り混じるギャスパー・ノエ監督のハイテンション作品。
「カオスって何?」という人には是非この作品をオススメしたい。

本番前のリハを終え、打ち上げを行うダンサーたち。
みんなで飲んでる酒にヤクを入れた事で勃発するトラブルが描かれています。

DJの鳴らすビートが心臓の鼓動みたいで観ているこっちがどんどん動悸が激しくなり息苦しくなってくる。
特に中盤からは全てが最悪なシナリオの伏線というヤバさ。
とにかく不快シーンのオンパレードで何も知らずに観た人は途中でやめちゃうかもね。

でも再鑑賞すると顛末が分かっているので意外と冷静に観られる。
上から視点やぐるぐる回るカメラワーク、字幕が逆さまなどか飛び道具のように繰り出されるセンスありな作り。
ワンカット撮影や過激描写など演出も単調にならない展開がクライマックスまで続くあたりはイカれてるのに丁寧に描かれててギャスパーの凄さを再認識しました。

映画は観る人によって感じ方は様々。
こういう過激な作品は特に振り幅も大きいんだろうな。
さして深いメッセージがあるような作品では無いけど、映画体験としては唯一無二な作品です。

この監督も「映画なんて作りものなんだから何やっても良い」っていう考えの人なんだろうな。
ギャスパーすげぇ。
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