kao

イーディ、83歳 はじめての山登りのkaoのレビュー・感想・評価

4.0
いやいや、これはかなり響きました!
これは自分の人生を取り戻す作品です。
おばあちゃん、頑張った!
過去の自分よ、さよーならー!エイっ
と指輪も外した!
しかし83歳って、ホントに?
そもそも登りたい山まで、ちゃんとたどりつけるのか?(笑)…などと思いつつ、観に行ったわけです。
そりゃわかりきったストーリーであることには違いないんですけど、83歳のおばあちゃんがスタントなしで挑んだわけで、それだけでもすごい!

このおばあちゃんの最後にやりたかったことがたまたま登山だっただけで、
この映画の本質は『今まで自分の人生を訳あって生きてこれないまま年を重ねてしまった人』が 勇気を出して挑むことにあります。

やりたいことがあっても訳あって何十年も諦めて堪え忍んできた人の背中をそっと撫でてくれるような…そして まだ夢があるなら決して遅くないんだよ!
さぁ!…と背中を押してくれる、
そんな映画。
一緒に行った親友は後半、号泣してましたねぇ…。
無理もない、彼女はハンディキャップのある息子さんを20年近く育て、認知症の母の介護と葛藤を越えてやっと解放されたタイミングだったからでしょう。
主人公のおばあちゃんも30年もDV夫の介護をしてきたことで自分の人生を諦めていた人だった…
重なったのでしょう。

たぶん30年という長さを実感できない若い年代の人にとっては感動が薄いのはあたりまえなことかもしれません。
私も含め人生の後半戦にさしかかって黄昏時にやり残したことを諦めたままでいいのか?と自分をふりかえりつつある年代の人にはささると思います。
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この映画、上映館が少ないからかレビュー数も少なめでちょっと残念。
観客はほぼシニア層でしたし、
シニア層でここにレビューあげる人は割合としては少ないのかもしれませんね。

今、誰かの介護にあけくれてる人にも
ちょっと時間を作って観てほしいなぁ。
壮大な山の景色に一瞬 気持ちをゆだねて…。
さて明日からまた人生後半戦、
大事にすごそう🙂
kao

kao