なんという人生。しかしエンディングの彼の表情の眩しさよ。自分の人生に満足で幸せだったと言い切れる人が、果たしてどれだけいるだろうか。
巨匠キューブリックの文字通り手足となり、身を粉にして(こんな月並みな表現では表しきれないほどほんとに四六時中)働いたレオン・ヴィターリという人物。きっとクレジットに名前があっても、私たちは彼の功績を微塵も知りはしないでしょう。
でもその貢献によりキューブリックの仕事の全てを把握し、彼の急逝後は作品の整理を担った。お金ではなく、きっと名誉でもない。ただただ師匠の仕事に身を投げ打った。
残念ながら彼も昨年亡くなったようだ。この作品が残されてよかったと思う。