のりまき

ハロウィンののりまきのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
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これは良い続編。
鬼子であった第3作から戦列を離れていたカーペンターが息子を伴って帰還。原点回帰と言える作品になっている。

過去の犯罪を洗い直しルポにする記者が精神病院を訪れる。目当てはマイケル・マイヤーズ。40年前の殺人事件の加害者だ。しかし記者の問いかけにマイケルは答えない。続いて訪れたのは森の中に隠棲する被害者ローリー。執拗に狙われた彼女はマイケルの襲撃を恐れるあまり娘に軍事訓練を施し、警察に娘を保護され引き離されていた。成長した娘は母親を嫌い孫娘を近づけようとはしない。
10月30日、移送のためマイケルを乗せたバスが事故を起こす。その機に乗じて刑務官を殺し逃亡する。ハロウィンの夜マイケルは町に放たれた。

帰ってきたマイケルは、今まであれこれと推量されてきた動機など軽く凌駕してしまうほど圧倒的な力で殺しまくる。お馴染みのマスクを被り、無表情に慌てず急がず淡々と。
監督、よく分かってらっしゃる。元祖連続殺人鬼が定型といっていい殺し方を演じてくれる。
ハロウィンで沸く町を進むマイケルを追うカメラ。時々追いきれず、見切れると不吉な音がする。流れるあのテーマ。子供部屋のクロゼットに隠れる。マネキンに紛れる。屋根から転がり落ち、視線を外すと消える。階段の手すり越しに覗く。
単体としてみても、運命の恋人同士のように対峙し合うマイケルとローリーとそれに巻き込まれる気の毒な方々がとても面白い。ナイスキャラも揃っている。
何よりB級映画を渡り歩いたジェイミー・リー・カーティスの侠気には拍手を送りたい。
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