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ハロウィンのarinのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
4.0
ヒロインは60歳! 女性の「強さ」を描く2019年版。

スラッシャー映画の元祖と称される「ハロウィン」の第一作目、その40年後を描くという意欲作。不死身の殺人鬼=マイケル・マイヤーズことブギーマンが活躍する「ハロウィン」は、これまでたくさんの続編が作られ、なかにはあのロブ・ゾンビが監督を務めたシリーズなんかもある。

事件の生存者はその後どうなっているのか? 事件が解決してしまえば、その後というものはあまり描かれることがない。シリーズ物に過去作の登場人物が出てくることはあるが、そういう場合いまだ事件の渦中にあるわけで、「その後」とは言い難い。

本作は「その後」を正面から描く。ヒロインはこの四十年間をどう過ごしてきたのか。記者に「犯人=マイケル・マイヤーズに憎悪をぶつけたいと思ったことは?」と聞かれ、ヒロインはどう思ったか。やがて訪れる、被害者と犯人の40年ぶりの再会・・・。娘も孫娘もいて、守るものを授かってしまったヒロインは不死身のブギーマンとどう戦うのか? 

ラストにかけてのシークエンスは息を呑んで見守った。いやあ、強い。マジで。次作への色気ムンムンのオチも悪くない。

それにしても本作、家族関係がイーストウッドの「運び屋」とほとんど一致しているから面白い。家族から煙たがれるじいさんとばあさん。どちらも揺るぎない信念を持って我が道を行くタイプ。両作品に共通するのは家族の絆がテーマであるということ。ひとびとの気持ちを敏感に反映するハリウッドのアンテナはいま、家族関係について向けられている。
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