バナバナ

閃光少女のバナバナのレビュー・感想・評価

閃光少女(2017年製作の映画)
4.2
この監督、どんだけ日本のヲタク文化が好きなんだよ!
ストーリーは、中国の音楽専門高校の中で、西洋音楽部と伝統音楽部の生徒同士の対立をコメディタッチに描いている。

日本でも子供が音楽を習うといえば、三味線ではなくピアノだが、
中国では映画の様に、ここまで伝統音楽が最近は蔑ろにされているのか、
それとも映画的なデフォルメなのかは分からないが、
とにかく舞台の高校では格差がひどい。

中国の学校の制服はジャージが基本だが、西洋音楽部だけお洒落な日本の私立風の制服なのに、伝統音楽部はジャージ。
…と学校の制度上でも、伝統音楽部は格下に見られているという設定になっている。

恋に破れた伝統音楽部の女子生徒が、伝統音楽部の中でも実力のあるオタク女子達とタッグを組み、学校内のヒエラルキーを打開しようと頑張る。
最初は彼女の私利私欲の為だったが、それが伝統音楽部の生徒たち全体に広がり、伝統音楽部と西洋音楽部全体の対決(もちろん演奏合戦)に繋がっていくのだ。

このストーリーの根幹そのものが、日本の“和楽器バンド”さんの存在を丸パクリなのだが、日本がどうして先に撮れなかったのかと思うと悔しい。
だが、日本では伝統楽器の奏者は少なくても、別に今作の様に蔑まれたり、対立などはしていないから、
もしこの様な映画を撮ったら、あちこちからクレームが来てしまうからかもしれない。

少し残念だったのは、ラストの伝統楽器の演奏の曲よりも、
最初の方のアニメフェスで披露した楽曲の方がカッコ良く、
また、途中の廊下での演奏対決の場面の方が俄然面白かったので、
ラストも、もっと印象に残る楽曲を演奏してほしかったなと思いました。
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