まるちよ

ローライフのまるちよのネタバレレビュー・内容・結末

ローライフ(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

LAとメキシコ間国境の街で起こる、登場人物4組の物語。
1:弱者を守るマスクのヒーロー「モンストロ(怪物)」。今は堕落して違法売春宿 兼 人肉解体屋の用心棒。
2:幼い娘を売った過去を持つモーテルの女店主。旦那の腎臓ドナーとして娘から摘出することを良しとする鬼畜。
3:自分を守るために11年間刑務所に入っていた親友の彼女と速攻で結婚し、尚且つ人肉解体屋の店主の金を盗む気弱な悪人。
4:移民局の役人と組んで不法移民を誘拐して、強制売春、臓器摘出を行うタコス屋を営む極悪人。
どいつもこいつもろくな奴がいなくて、この4組のストーリーがタイトルバックと共に時系列を入れ替えながらオムニバスのように徐々に絡んでいく。
パルプ・フィクションに似ているタイプの映画。

結構この映画評価高いみたいだけど、そんなに評価できるポイントがあるとは思えない。
モンストロがキレると場面が変わってハチャメチャになってる演出が面白かったから、これを主軸にドツボにハマっていく流れかと思ったけどそうでもないし。
パルプ・フィクションは落ちたり上がったりするから見てて笑えるし、面白いけど、ロウライフは基本落ちていく一方でカタルシスが全然感じられない。
タコス屋のおっさんもいいキャラしてるんだけど、最初のグロシーン以外は特にカリスマを感じるほどの恐怖性を感じない。
むしろ「発注」をかけられた商品を正常に出荷しようとしてる点は悪いことしてないと思う。

バックボーンがあまりに無さすぎて、ストーリー展開に説得力が無いのがイマイチなのかもしれない。
パルプ・フィクションのマーセルスみたいに、タコス屋がすごい権力持ってて、こいつに逆らうとヤバイ。だからみんな色々と奔走する、みたいな話しだったらまだわかるんだけども。

ラストも「え、どうして?」って思った。
ピュアなのかなんなのかイマイチわからないモンストロが後は継がせないって言ったのは、息子に対してだけじゃなくて腐った世の中にヒーローなんか居ても意味が無いって悟ったからじゃないのか?

良く分からないけど、これ系の映画ではそこまで惹かれるものはなかった。

◆良いところ
- スペイン語の響きが心地良い
- モンストロが切れる演出が笑えた
- なにげにグロ描写
- ハーケンクロイツのタトゥー入れたやつが良い人

◆悪いところ
- 登場人物の掘り下げが甘くて、感情移入しづらい
- タコス屋の設定が弱い
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