はる

DTC 湯けむり純情篇 from HiGH&LOWのはるのレビュー・感想・評価

2.5
よくある感動もののストーリーを食い散らかした感がありました。

前半はテンポが悪く、笑いのツボが脚本と合ってないとなかなか厳しいものがあり「キッッッッッツ、まじキツい、ほんとキツい」と思いながら観てました。
huluでやってたDTCは5分くらいだったから割と楽しく観れたものの、あのノリで数十分近くやられるのは個人的にはとてもキツい。

縦笛兄弟ライブが始まる前の撮り方はライブDVDとかに収録されてそうなカットが多くて格好いいなと思いました。
何というかLDHが関わった映画って、「1曲まるまる撮る」ことになるとMV撮影の経験値が活きてくるからかめちゃくちゃ上手いんですけど、「映画の挿入歌を適切に使う」ということになると途端に下手になる印象です。曲をかけるべきところの見極めとか、曲を切るタイミングとか、曲を活かしながら画を作るのが絶望的に下手。同じ脚本でエドガー・ライトとかデイミアン・チャゼルに演出させたらどうなるんだろ…。

脚本面で言うと、もうちょっと女将と宮崎さんとメグミの関係性が欲しかったなと思いました。特に宮崎さんとメグミの関係性が分からなかったので、メグミにとって宮崎さんが「突然現れた母親の恋人」なのか「仲のよかったおじさんが突然父親候補になった」なのかがよく分からず、だからこそ最後のプロポーズシーンがしっくり来ませんでした。ただ、このプロポーズシーンの駿河太郎の演技は流石で、彼の演技に惹きこまれて泣いてしまいました。

そう!駿河太郎!歌もギターも上手かった!ギブソンのアコギは私物なのかな…とか気になってしまいました。あと、弾き語りでスラム奏法やってくる人をプロ以外で初めて観たので若干動揺しました。

なんだかごちゃごちゃしてたけど、主軸となる旅館の話はよくある王道の話なので何とかなったな、という感じ。最終的には「思ったよりいいやん…」というところまでには来たけど、最初の方が本当にキツかったので全体的には好きじゃないなという感じです。
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