ぬまち

ユーロクライム! 70年代イタリア犯罪アクション映画の世界のぬまちのレビュー・感想・評価

5.0
70年代にイタリアで量産された刑事アクション=ポリチェスキと呼ばれるジャンル映画のドキュメンタリー。タランティーノ『デス・プルーフ』で『死神の骨をしゃぶれ』『特攻警察』等のサントラが使用されていることから知りましたが、個人的にほ結構好きなジャンル。やはり音楽の良さと荒々しいアクションが魅力的だ。

このドキュメンタリー、編集のクオリティーは微妙(ペイントで描いたようなイラストが微笑ましい)なんですが笑、フランコ・ネロを筆頭にこのジャンルの数々の生き証人たち貴重なコメントを軸に、ポリチェスキの黎明期から衰退までを映画史や政治、社会情勢を踏まえて読み解いていく構成がよく出来ていてめちゃくちゃ面白いです。

裏話も満載で特に印象に残ったのは、
・アメリカ人俳優がイタリアに出稼ぎに来たがるのは節税効果があるから(もっと詳しく聞きたかった)
・ウンベルト・レンツィは現場でキレまくっていた
・マウリツィオ・メルリは現場で扱いにくい存在だった
・トーマス・ミリアンはシャイな人間だった
・特殊効果を省略するために実弾を撃っていた
・音声は全て後付けすることで早撮りを実現した
等ですね。

このジャンル、日本ではあまりソフト化されていない(されていても既に廃盤だってり)のが寂しいですね。
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