昨日の一本。
音楽一本で栄華を極め、それしか持たないが故に飢えに苦しみ溺れるレジーことエルトン・ジョンの物語。「エルヴィス」等の伝記系音楽映画と異なるのはミュージカル調で演劇を見ているような感覚で追えること。
ただ惜しいなぁと思うのはこのタイプの映画には欠かせない名曲誕生エピソードがなかったこと。あの曲はこんなことがきっかけで生まれたみたいなのはない。これは彼が天才であるがゆえに歌詞にパパッと曲を載せられてしまうことなんだと思う。エンタメとしては弱い部分がある。
しかし、虚勢を張る姿はあまりない（大体寂しさからくる反抗心）のでかなり彼の一人ぼっち感がいい味を出している。というか最後まで両親が敵対関係なの厳しい。相容れない家族が依存体質の彼を生み出したのが解る。でも一番悲しいのは最後のセラピーの時に関係者各位が彼にメッセージを伝えるシーンで結婚した女性がいなかったことか。つまり人生の1ページでしかないのがエルトンの孤独をより印象づけられる。
