高橋早苗

キングダムの高橋早苗のレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
3.9
漂と信は、光と影

影から 願いが生まれた
憧れ “天下の大将軍”


漂『奴隷は大人になっても奴隷 抜け出すには剣しかない』

奴隷=不自由な日々
焚き木で始める 一万回の真剣勝負


やがて漂が 王宮へ召し上げられる
『二人の行き着く先は同じだぞ』

信はひとり ただ愚直に
一万回の真剣勝負を続ける

瀕死の体で 帰ってくる漂は
信へ 本物の剣と地図を託す

漂は死んで 信を
不自由で窮屈な奴隷世界から
外へ! 連れ出す


地図が示すのは
座を追われた王・嬴政が身を隠した所
(信にとって新たな光)

漂『私が倒れたら 信にお摑まりください』

漂は 信へ
剣と地図だけでなく
夢が叶う場所(将軍として使える王)まで与える

この身が倒れても
影を照らすことで
天下に連れていってもらえる確信
まさに光!

信『お前のせいで漂は死んだ』
嬴政へぶつける やり場のない感情

信がそのまま 復讐の鬼にならなかったのは
漂が嬴政に仕え
影武者として死んだから

ほんの一瞬でも
将として 皆の前に立ち

意気落ちた軍勢を 鼓舞し
奮い立たせて
隠れ待つ 嬴政の元へ 導いたから

信は 若き王に
漂の姿を(光を)映し観ながら
嬴政を 王座へ導く

佐慈『現実教えてやるよ』

彼に立ち向かえるのは
信が
漂の念いを胸に 誰よりも高く飛ぶから

朱凶
ムタ
ランカイ
刺客たちとの戦い

信は
一旦やられそうになってから
盛り返す時いつも
上から剣を振り下ろす

佐慈に倒され
『違うよな、漂』と涙をこぼす信は

漂と木刀で交わした
“一万回の真剣勝負”を思い出す

漂の構えで 敵を待つ
(目を閉じて!)

光と影は
ひとつで
現実(佐慈)に立ち向かう

将軍崩れの男など
ひとつになった光と影に
敵うわけもない


“一万回の真剣勝負”の続きを
木刀を剣に持ち替え
仕える王を見つけたことで

下僕は
奴隷から抜け出した

彼の夢
“天下の大将軍になる”
スタート地点に立った
高橋早苗

高橋早苗