終らぬ戦いで国が分断されて血で血を洗う春秋戦国時代の中国。戦で家族を失った戦争孤児で、下僕の身ながらも志高い親友の漂の影響から天下の大将軍を夢見る血気盛んな少年、信。数奇な運命によって弟のクーデターで城を追われた秦王の政に出逢った彼が、激動の時代でその野望を叶える遥かなる道を歩み出す様を描いた大河ロマンです。
後の始皇帝とその右腕である将軍の李信の活躍を描いて大人気となった原泰久の同名漫画を『アイアムアヒーロー』の佐藤信介が映画化した作品で、若手俳優の山崎賢人と吉沢亮を主役に橋本環奈や長澤まさみ、大沢たかおらの豪華キャストで脇を固めて原作では序章にあたる「王都奪回編」を描いてヒットを記録。シリーズ化を決定しました。
制作費が限られる邦画にあってスケールの大きな映画を作ろうと気概のある作品で、それが漫画的な有言実行の主人公の姿と呼応します。いかにもワイヤーなアクションに青臭い芝居、ハリウッド大作とは言え30年も前の作品『ラスト・エンペラー』にスケール及ばぬ美術と課題はありですが、その心意気やよしと思わせる野心のある一作です。
