てっぺい

キングダムのてっぺいのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
3.5
【原作未読が得する映画】
中国の絶景がいくつも登場する本気の映像美。各登場人物の殺陣の美しさ。何より友とのアツい絆と夢の物語。映画単での完成度が高く、原作未読な方がむしろその再現性が気にならず、得をする。
◆概要
累計発行部数4000万部の人気漫画「キングダム」映画化作品。脚本には原作者の原泰久も参加。出演は山崎賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、大沢たかおら。監督は「GANTZ」の佐藤信介。
◆ストーリー
紀元前245年、春秋戦国時代の中華西方の秦の国。戦災孤児の少年・信と漂は天下の大将軍になることを目標に掲げ、日々の剣術の鍛錬に励んでいた。王都の大臣・昌文に召し上げられた漂が王宮へ入り、信と漂はそれぞれ別の道を歩むこととなる。
◆感想
信と漂の絆と夢が何よりもアツい。様々な登場人物や動乱の世が描かれて複雑化しかねない展開の中、自分の夢でも漂の夢でもある天下の大将軍へと向かう縦軸がはっきりしているので、伝わりやすいし、感情移入できる。
さらに予想を上回る、映像の迫力。山の民の国に見られた中国の秘境や、成蟜が8万の群を俯瞰に見る画などがもう圧巻。中国で実際に撮影したとされる映像美に、邦画として群を抜いた、製作スタッフの本気度が垣間見えた。
自分が原作ほぼ未読な分、配役への違和感等も皆無(原作のファンは言いたい事が色々あるのかもしれないけど)。「ぜってーぶっ殺す」「夢があるから立ち上がれんだろ」などなどイマドキなセリフ口調が、古代中国の映画単としては違和感があるものの、少年漫画の認識で見ればむしろ微笑ましいし、見ているこちらの少年心をくすぐり、ワクワクさせてくれる。
少年心頂点だったのは、何気に山の民の無敵っぷり。矢を受けても蘇り戦う様とそれを従え信頼する楊端和(長澤まさみ)がめちゃくちゃかっこよかった!そんな長澤まさみの華麗な血だらけアクションには、男性ファンだけでなくとも見入ったはず。あの戦場で肌を露出しながら戦う矛盾が、逆になんだか可憐さを強調していた気がする。
さらに、もう男でも感服する吉沢亮のかっこよさ。ボロボロになりながらも斬り続け、士気を上げた雄叫びとその時の目にしびれました。もう山崎賢人を食ってる。
かっこよさで言えばエンドにかかるワンオクの「WASTED NIGHT」も問答無用のかっこよさで、速攻でサントラダウンロードした事も付け加えておきます。
本気の映像美とアツい友情物語、そして殺陣のかっこよさに文句なし。配役違和感もなかったので、原作未読が逆に得した気分。あとこの人気っぷりだと次回作があるのは間違いない。楽しみにしておきます!
てっぺい

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