あんがすざろっく

デュエリスト/決闘者のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

デュエリスト/決闘者(1977年製作の映画)
4.3
リドリー・スコットの長編デビュー作品。
1800年代のフランスを舞台に、常に決闘に明け暮れる軍人フェロー中尉と、彼に逆恨みされてしまったデュベール中尉の、15年にも及ぶ確執と対決を描いています。

デビュー時から既に陰影のある映像、美しい風景描写に、リドリー・スコットの美学は完成されていたんですね。
映画を撮る前から何千ものCMを監督していたんですから、そのスタイルが確立されていたのは当然なのかも知れません。

自らの内にあるエネルギーや、鬱屈した感情を発出する為だけに決闘を望むように見えるフェローをハーヴェイ・カイテル、理知的ながらも、己の恐怖と対峙しながらフェローに立ち向かうデュベールにキース・キャラダインが扮します。

異常なまでにデュベールとの決闘に固執するフェローの姿は、常に完璧を目指し、プロデューサーや映画会社とやり合いながら作品を撮り続けるリドリー・スコットとダブります。
もしかしたら、彼の映画製作に対する姿勢が一番よく表されている作品なんじゃないかな。

派手さは波はないれけど、剣がぶつかり合う音や世界観、リドリー・スコットのこだわりがストレートに伝わる作品です。
デュエリストから始まり、グラディエーター、キングダム・オブ・ヘヴン、エクソダス、最後の決闘裁判と、リドリー監督は剣劇や歴史劇が好きですね。
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