ツクヨミ

デュエリスト/決闘者のツクヨミのレビュー・感想・評価

デュエリスト/決闘者(1977年製作の映画)
3.0
たしかにリドスコ的な要素がしっかり詰まってた長編処女作。
リドリー・スコット監督作品。近々最新作が公開されるので時代背景近そうだし処女作らしいしで見てみた。
まずオープニング、19世紀初頭での何かを匂わせる文章からスタートとしたと思ったらけっこうキューブリック"バリーリンドン"的な美ショットと話の始まりに見えた。初っ端決闘が始まり冷ややかな決着をつける、リドリースコットが描く歴史もので顕著な対立構図が全編に溢れているのが特徴的。
まあ本作、ナポレオン時代のフランスを舞台にし徐々に成り上がっていく二人の男をけっこう食い気味に"決闘"で繋いだ半生物語だ。しかも彼ら二人の人生という物語というよりか、その人生の中で再会する度に始まる決闘を見つめるのみに徹していく。そこには主人公である男の女性関係が見えたりもするのだが、わりかし連続性が途切れた時系列の切り具合が本作を本当にあくまで二人の男の関係性を描くのに徹させている。"グラディエーター"や"最後の決闘裁判"で顕著な対立構図がかなり強めに描写されているのが実にリドリースコット。
あとは映像に関していうとマジで絵画的に美しすぎ、"ブレードランナー"でのごった返したSF像も素晴らしかったが暗闇に一筋刺す光が映えさせる画面支配力がかなり際立っていた。特にラストの切ない神々しさ、改めてリドリースコットはしっかり映像派だと感じた処女作だったなー。
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