明石です

アンフレンデッド:ダークウェブの明石ですのレビュー・感想・評価

4.8
素敵なホラー映画に巡り会えた歓びったらないね、、

亡くなった同級生の命日にSkype通話がかかってき、PCの画面内で殺人が起こるという斬新な設定の前作から一点、SkypeとFacebookのやり取りをメインに話が進むという点のみを引き継ぎ、純然たる人怖映画として生まれ変わった本作。同タイトルを冠した正式な続編にもかかわらず、ほとんど別作品のような設定に変わり、なおかつ前作を凌ぐ名作になってるのが凄い。

まず素晴らしいのは、幽霊からの通話を受けた高校生が超自然的な力により葬られていくというオカルト設定だった前作から、ダークウェブの住人に目をつけられた大学生が用意周到な計画の犠牲者として殺されていくという人怖設定に180度転換してること。正直、無敵の幽霊よりも、独創性豊かなハッカー集団の方が何倍も怖かった、、主人公のPCを操作して、嘘の犯行予告を出させて警察の手で殺せたりとかそんな感じで。どうやったらこんなアイデア思いつけるのか、、ととにかく感心しっ放し。あんまり怖くて、幽霊に襲われるだけだった平和な前作が懐かしくなったほど。

続編という名の、「1」の名声におんぶに抱っこなその他無数の続編作品たちに違いを見せつけた本作。これくらいイマジネーション豊かな人が作品づくりに関わるなら、続編の価値はずっと高まりますね。調べてみたら今作の脚本家、ハリウッド版の『呪怨』を担当していた人みたい。小さい頃父親の背中に隠れてコソコソ見たのを除けば、ハリウッドの呪怨は一作も見たことなかったと思うので、そちらも楽しみになった。

というかこの続編、もはや”Unfriended”「友達削除」とは何の関係もないので笑、完全に別タイトル(それこそ『ダークウェブ』とか)の作品として出した方が良かったかもですね。良作だった「1」の名前が足枷になってるレベル、、それくらい会心の出来だと思う。

大袈裟な言い方をしていいなら、ホラー映画の地平が新たに広げられるところを目にできた感動に包まれてます。ホラー映画ってこんなことも出来るんだ!という純粋な驚き。この続編は本当に価値があると思う。前作だけだったら、ちょっと目線が新しいオカルト映画くらいの立ち位置に留まってたかもだし。これが『パラノーマル』シリーズのように、アイデアだけを引き継いだ駄作続きにならないよう願いつつ、次作ではどんな転換があるのかワクワクしながら待ってます。
明石です

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