熊犬

アンフレンデッド:ダークウェブの熊犬のレビュー・感想・評価

3.5
【回線一本で簡単に悪意と繋がる】

原題:Unfriended - Dark Web

中古の高性能パソコンを入手したマタイアス。PCには前の持ち主のSNSアカウントが入っていたが、自分のIDで上書きし早速恋人や友人とスカイプを始めた。しかしPCの中に大量の隠しファイルを見つけてしまい、中身はなにやら盗撮動画の様な…
と、そこにPCの持ち主を名乗る人物から連絡が入る…その人物がカロンと名乗るダークウェブの犯罪集団と繋がりがある事が分かり、またPCを返却しなければ恋人を殺す脅迫を受けるマタイアスは、その場を取り繕いつつも恋人を助けようと画策するが、ダークウェブの強力なネットワークは彼のリアルに侵食して来る…
…な映画。
-----

前作に引き続き、グループ通話の画面で展開するストーリー。

個人的に今作で面白いなと思ったのは、タイトルの通り 『ダークウェブ』を題材にした事。いわゆる、ネットの海の深海の方にうごめく暗い部分。PC画面でのみ展開する映画なので、『物語の舞台⇔モンスター』 が密接に繋がっている構図が良くセットされていて。心霊みたいな外的要因を映すわけではなく、あくまで同じ設定の中、スカイプの延長線上でダークウェブと繋がってる、みたいな。目の付け所が上手いですね、面白いっすね。

そういえば、こういう映画って、古くなると逆に観れなくなるというか、技術やソフトウェアがどんどん進化する中、今のうちに観ておかないと10年後だと何してるのか分からなくなってくるんじゃないかな…とか想像してみる。
一作目なんてもう9年も前の映画ですし、既に画面が古く感じてきてる…今の世代がカセットテープと鉛筆を見て「???」と思う感覚が、普通の映画よりも顕著に出そう。そしてその感覚のズレや理解できなさがかなり致命的なタイプの演出だと思うのよ(没入感が重要だと思うので)。なので、思い立ったが吉日、古くなる前、今のうちに観ておくべき映画。

■本日のビール『アフターダーク』
醸造所:スプリングバレー(日本 / 東京)
ダークウェブならぬ、ダークビールで。
麒麟麦酒のクラフトビールブランド、スプリングバレーの作る黒いビール。しかもスタウトではなくライトに飲めるブラックラガー。黒ビールの甘いふくよかさに、ラガーのスッキリさを共存させた楽しいビール。
熊犬

熊犬