無学

斬、の無学のレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
2.0
中村達也目当てに前情報なしでの観賞。

冒頭こそ、日本刀を鍛造する映像美に
期待を煽られるも、本編がまったく肌に合わずダメだった…(>_<)

「雨あがる」で寺尾聰がみせた、
食い詰め浪人が仕官できぬまま続く日々のなかでも、ひたすらに研鑽を重ねる求道的な姿。
その美しく正しい所作は、この映画にもみられたものの、ヤットウを振る当人から滲み出る「残心」の美意識までは感じられず。

監督の自慰行為的な表現に過ぎぬと思いながら観ていたら、主人公がまんまセルフサービスなんて場面が出て、なんじゃこりゃ…

無言の会話としてみせる寸止めのエロチズムが邪魔でしかない。
立身出世、武功を立てんとするための覚悟なのだろうけれど、重要なシークエンスとは思わないし、剣客としての佇まいを薄っぺらく感じさせるだけで、なんだなかあ。

見せたいものがあるのはわかる。
画面に映っているから。
言いたいことが不明瞭でストンと落ちてこない。

邦画のガラパゴス化を引き合いに出せば、国内で回収できる構造からなる、市場動向に迎合したつくりには辟易するばかりだが、
その昔、本当に鎖国していたからこそ江戸に咲いた元禄文化というものもある。
いまやクールジャパンの重要なコンテンツである、マンガとアニメも
海外ユーザーを想定していない過去の名作も含め高評価されていることからみれば
鎖国市場から結実するポップカルチャーがあることもまた事実。

しかし、最初から海外の賞レースを意識したかような作風はかえって鼻につく。

サムライで意味深なクールジャパン…?

「鉄男」もいま観ればそれほど面白くないんだろうけど、あのインパクトは凄かったけどなあ。久しぶりに観ようかな。
あれから30年だそうで。

ボーイズ・ビー・シド・ヴィシャス!
ばちかぶりトモロヲこそがクールジャパンなるぞ!

塚本さま。
中村達也主演で、イシーソーゴ的なヤツ
やってくれませぬか。
無学

無学