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さよならくちびるのKUBOのレビュー・感想・評価

さよならくちびる(2019年製作の映画)
3.8
5月5本目の試写会は「さよならくちびる」。

私は音楽映画に弱い。たいてい好きになっちゃう。これもそう。終映後、自宅への帰り道、ずーっと「さよならくちびる〜♪」って口ずさんでた。

門脇麦、小松菜奈、成田凌。さらに音楽が秦基博とあいみょん。このキーワードで期待した通りのいい映画だった。

ハル(門脇麦)、レオ(小松菜奈)、ローディー兼マネージャーのシマ(成田凌)。ほぼ3人だけで映画は進む。

インディーズでは飛ぶ鳥を落とす勢いのハルレオが、解散を決めたラストツアーの間の、ハルとレオの、ハルとシマの、レオとシマの心の葛藤を自然に追う。

誰かが死ぬわけではなく、変にドラマチックな仕掛けもなく、ただただバンド内ではありがちなナイーブな心の揺れを描いて、切なくて爽やかでくすぐったい。

成田凌って、本当にニュートラルで自然な演技ができる人だな〜。2本続けて豹変する変質者役で妙な先入観持たれちゃったけど、こういう役が一番いいな。

小松菜奈もキラキラ映画のお姫様役での彼女は大嫌いだけど、本作の飾らない、ぶっきらぼうで不器用な女の子役はよかった。

もちろん門脇麦はハマり役。個々も良いんだけど、本作ではこの3人の個性のぶつかり合いとハーモニーが決め手。

「愛がなんだ」は全く共感できなかったけど、本作の3人にはどっぷりハマった。嫉妬も、口には出せない思いも、思いやる心も、みんな切なくてかわいかった。

そして何より、ハルレオの歌う『さよならくちびる』(秦基博)と『誰にだって訳がある』(あいみょん)の楽曲の良さ。見た後は絶対口ずさんじゃう。CDあったら絶対買う!

アコギでただただコード鳴らしてるだけの演奏が、妙にノスタルジックに感じて、青春時代を思い出した。
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