マーチ

さよならくちびるのマーチのレビュー・感想・評価

さよならくちびる(2019年製作の映画)
3.1
ロードムービー“風”であるし、音楽映画“風でもあるのだが、“風”にも達していない印象。中途半端と言いたいところだけど、中途半端にすら2、3歩及んでいないもんだから困る。

セリフを排することによってほぼ役者の表情だけで感情を観客に感じ取らせる演出は、それでこそ“映画”なので大いに結構なんだけど、それにしては詰めが甘い。徹底したいなら音楽番組で不機嫌になるくだりはあんなに露骨であってはいけないし、歌詞を表示する必要もない。役者の演技は全員良いし(特に門脇麦と成田凌!)、役者の演技力を信用していないと成り立たない作品だけに余計にその詰めの甘さが目立っていた。

オチだって割と序盤で予想できる展開なんだから、個人的にはあんなヌルいオチをつけるよりもその直前の成田凌の表情と共にため息で終わらせて欲しかった。もっと観客の想像力を信じて欲しい。
マーチ

マーチ