ちろる

パパと娘のハネムーンのちろるのレビュー・感想・評価

パパと娘のハネムーン(2018年製作の映画)
3.5
ワーカホリックで携帯電話を手放せないレイチェルは、結婚式当日に婚約者に振られてしまう。
荒れ狂ってた彼女の目の前に現れたのは長らく疎遠だった父親のハリー。
そして酔い潰れて目を覚ました時にいたのは、新婚旅行で予約してた豪華客船の中。
なんと父親ハリーとハネムーン旅行に行くことになってしまったのだ。

26年も疎遠になってた父親とうまく行くはずもなく、レイチェルはハリーに苛立ち、避けまくる。
しかし豪華客船の乗客は2人を年の離れたカップルだと思い込みフレンドリーに話しかけてくるが、レイチェルは携帯の電波を気にしてばかりで態度最悪。
そんな険悪な空気の中、逃げ場のない船の中でこの親子はどうわかり合えるのか?

なんと言ってもこのストーリーは脇役がとても魅力的。
なかなか厄介なこの親子(周りからはカップル)の微妙な空気に気付きながらも、つかず離れずの絶妙な距離感でコミュニケーションとってくるゲイカップルは特にステキでした。

なんだかんだで喧嘩しながらもだんだんと打ち解けていく2人。
ハリーが仕事のことばかり考えてるレイチェルに苛立ったのは、かつての仕事人間だった自分を見ているようだったのだろう。
自分は仕事人間であった故に大切な家族を失ったから、その過ちを娘に繰り返して欲しくなくて必死に怒ったのだろう。

結局は似たもの親子だったんだろうね。
親友のように分かり合えた2人が、またツアーが終わって別れ別れになるのはちょっと切なくて泣けて来ました。
結婚式当日に振られるのが良かったとは思えないけど、それがなけりゃ父親とこんな関係が築けなかった訳で、なんか人生って皮肉ですね。
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