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君の結婚式のmckeeのレビュー・感想・評価

君の結婚式(2017年製作の映画)
2.5
甘酸っぱいはずなのにそうでもない。それでも色々考えさせられる映画ではあった。
このふたりは韓国風に言うと明らかに悪縁。けして叶わぬ恋だったのだろう。そういう縁も確かにあるのだとこの歳になると実感する。
そもそもそう意図してこの本は書かれていたのではないかと疑う。これから恋が始まろうとするときに、親父が暴れて恋が終わる。そもそもそこが執着の始まり。そしてその親父の葬式がまたもや終わりの引き金となった。この間の取り方はとても上手で感心する。この悪の象徴みたいな親父がキューを出していたのだ。
10年思い続けて恋愛ごっこがほんの一瞬。恋はタイミングだろうか?そうではない。うまく行くときはどんなタイミングでもうまく行く。
彼女を助けた事故のあと、彼女との関係がうまく行くことに相反して、彼の生活や心に歪みが生じる。口に出すかどうかは別として、彼は確かにその歪みが彼女と関係があると確信していたはずだ。だから彼女を傷つけた後に言った「本心じゃない」の言葉もそれが嘘だと、ふたりともわかっていたと思う。
ラスト前、船みたいなやつの上で、親友から10年間暗証番号を0508から変えていないことを突っ込まれた。これは、作者が恋ではなく執着だったよと示唆したのだと理解した。そこから憑き物が取れたようにキレイなラスト。
ここはふたりが全部言葉で言っちゃうのであまり面白くなかったけど、まあその通りだしキレイにまとめたな、と思う。
なんだか穿った見方をしてしまったが、そもそもキュンと出来なかった原因はスンヒだ。最初からなんかおばさんみたいで制服にすごく違和感を感じてた。大学に行っても社会人になっても、ずっと垢抜けないしくたびれてるしで入り込めなかった。
こういう綺麗で単純な話は、そんなに演技力求めてないから見た目も綺麗な女優さんで撮って欲しいなと思う。
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