いろどり

橋のない川のいろどりのレビュー・感想・評価

橋のない川(1992年製作の映画)
3.5
同監督の「絵の中のぼくの村」を観たタイミングで勇気を出して鑑賞。

部落差別という重いテーマを南米の温かい音楽が見事に中和していて、見やすい演出に成功している。ただ、音楽の主張の強さが、シリアスなシーンで違和感を生んでいたのも否めない。

原作は第7部まであり、今井正監督版も2作構成になっている(本来は第三部まで作る予定が妨害されたとか)ボリュームのある話。

有名作品だから登場人物は予習済ですよね、という体なのか、何の説明もなしにいきなり出てくる人が多く、Wikipediaで照らし合わせることしばしば。駆け足にしないと描ききれない内容だったのだろうけど、追いつくのに必死。

隠すことない部落差別を一身に受ける人々にとって、水平社宣言は救いだったということがよくわかった。

今は渋くなった俳優たちの若々しい姿はとても新鮮。なかでも渡部篤郎のピュアな笑顔は印象的で、心の美しさをうまく表していたと思う。エンドロールの迫力も圧倒的。
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