ナリコ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのナリコのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

良かったっちゃ良かったんですけども、個人的に見ていて冷めたなぁってポイントがあって…

まず、少佐が生きてたのがちょっとなぁっていうか。

ヴァイオレットも社長も大佐もそれぞれがギルベルトはもう二度と戻らないという喪失を抱えて、それを克服して生きていこうとしているのに、そもそも死んでなかったとなると……どうなんだろうなぁとか思いまして。
戦争があって多くの人が死んで、劇中でも男の子が幼くして死んでと、誰かにとっての喪失の多いこの作品においてどうしても違和感があって、どうもそこからの展開に乗り切れなかった。
原作ではどうなのかとか、例の痛ましい事件があったからこの展開になったのかとかは分かりませんけれども……。

後、今更ながらに人が死んで泣く自分を客観視してしまって、これは自分の問題でもありますが。

あのシーン、良いんですけど、
映画冒頭でアニメ版、毎年母親から手紙が届く…っていうとんでもなく泣ける化け物回のシーンが挿入されますけど、そこで家族の死っていうものが描かれて、それで、その手紙が届いていた娘…家族を持って孫までいたので祖母、にあたる人物のお葬式で、また家族の死っていうものが繰り返し描かれている。
で、また劇の中盤で今度男の子が死ぬので、やっぱりちょっと、またか…っていう思いがあったのと、映画なので仕方ないんでしょうが、様々な視点から物語が描かれていたので、あの家族に対して大して思い入れがないのもあり。
大して思い入れがないのに演出の力で泣かされようとしている自分、というのに気付いてしまって。それ言い出したらキリないんでしょうけど。

そんなこんなであんまり乗り切れなかった。
ナリコ

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