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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのSQURのレビュー・感想・評価

3.0
TV放送された13話、OVA、外伝と続く、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの長い人生の物語がついに終わりを迎えた。
放送当時にはなかった、実際の大きな戦争や京都アニメーションの事件など、重なってほしくなかった文脈も重なり、鑑賞中、何度も何度も堪え切れない涙を流すこととなった。
この素晴らしい作品を世に生み出してくれた、製作陣の皆様方や、それを支えたさらに多くの人々、アニメーションの歴史、すべてに感謝したい。

一方で今回の話に、やや納得のいかない部分がないでもない。
一番の疑問点は、最終的にヴァイオレットから少佐に向けての「愛してる」の言葉がなかったことだ。途中の少年とのやり取りで、自身の気持ちについても気付く布石があったことを考えるとやや不自然に感じた。「言葉にすると嘘になる」という言葉にもあるように、映画において秘するは花、という側面もあるが、手紙、という言葉を扱う物語の終着点として、ヴァイオレット自身の「愛してる」の言葉があって欲しかったように思う。
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