Toro

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのToroのレビュー・感想・評価

4.8
人の心が難しいからこそ、想いを言葉に込めていく。その紡がれた言葉が誰かに届くようにと願いながら。

ようやく観れました。
アニメをすべてみてるがゆえにヴァイオレットの想いと成長を感じるこの映画は涙腺が崩壊し続けた。アニメから観ている人にとっての集大成であり、アニメを観ていなかったらこうはならない。
そういう意味で1本の映画としては不完全かもしれないが、シリーズを通しての終わりとしては完璧以外のなにものでもない。

以下シリーズの総括として。
手紙という今は廃れつつある文化を、そこに込められた当時の人々の思いと手紙ゆえに込めることのできる人の姿を可視化した、このSNSの時代にあってこそ、人の心に刺さる作品だ。

兵器として生きてきたヴァイオレットが、仕事を通して人を、心を、愛を学び。最後にようやく自分の愛を紡ぐことができた。

ここまで感情を揺さぶられ、ここまで登場人物に感情移入をできた作品はなかった。

きっと10年後も20年後も。
むしろそのときのほうが輝きを増すと思えるほどに。

人というものを。
心というものを。
愛というものを。

丁寧に積み重ねて
誰にでも届くように

何よりも言葉には、文字には力があるのだと。
教えてくれたこと。

こんなにも涙が出るほどの感情が 
自分にもあったのだと驚くほどに。

自分の人生に実りある時間を与えてくれた。
心から。
心から。

ありがとう。
Toro

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