イツネ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのイツネのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

電話の登場による手紙の衰退を描いているのが良い。彼女は永遠にずっと手紙を書き続けるのでしたハッピーエンド完、みたいな安直オチじゃないところが素晴らしい。
前作の外伝は『永遠と姉妹愛』が主題であって、今作は『時代変遷の儚さと兄弟愛』で対比しているのも面白い。
愛してるを知るために何通も他人の手紙を書き続けてきたヴァイオレットが、最後は嗚咽しすぎて何も言えずに終わる。無駄に語らせないのが、手紙を知る前のヴァイオレットに戻ったみたいでこれまた良い。キャラブレが少ないの推せる。これ声優の石川由依さんに「尺ありますけど嗚咽して何も言わないでください」とか、けっこー無茶苦茶な要求してるのでは。

ただ、これを言えばこの映画が成り立たないけれど、ヴァイオレットには「少佐が死んだ状態で乗り越えて欲しかった」とも思う。ヴァイオレットと会わないという消極的な決意をする少佐と、会いたくてたまらないヴァイオレットとのすれ違いがこの映画の見どころなわけだけど、そもそも少佐には生きていてほしくなかった。厳しいけど。本来なら4.0つける。惜しい。
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