とむ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのとむのレビュー・感想・評価

4.2
(興奮冷めやらぬ状態で書いてるので多分文章ぐちゃぐちゃだと思います。悪しからず)


途方もなく美しい御伽噺だと思いました。

代筆業を営むヴァイオレットを軸にしたオムニバス形式で紡がれるTVアニメーション版のそれも、ある種童話というか御伽噺的な側面が強い話ではあったけど、
それらをそういう見え方足らしめていたのは各キャラクターが一応の決着というか、結末を見せるからだと思っていました。

特に、今作の冒頭でも出番のあったTV版10話の少女・アンの物語(引くほど泣いた)はそれが顕著で、その後の人生まで描かれていたから尚更で。


そしてこの劇場版では、それらの主人公たちと同様の立場に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という少女が立っているんですよね。

つまり、もうこの物語はこれで終わりということなんですよね。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの生涯を描いた物語は、今作で結末を迎えたわけです。

やべ、書いてて泣きそうになっちゃった。
終わって欲しくないよおぉ…。


内容について触れていきましょう。

今作では「ユリスからの依頼」「アンの孫・デイジー」「ヴァイオレット自身の物語」という3つのストーリーが並行して描かれ、それらが終盤で一気に結末へと向かっていくんですが、
その展開に信じらんないくらい泣きました。

なんというか、全てが感情で構成されているというか。
間の取り方とか、表情とか、画作りの妙とか、およそ1から構築されたアニメーションとは思えないくらい綿密に作られていて、もはや恐ろしくなりました。
終盤、頭痛くなるくらい泣いたよね。

TVアニメ13話+OVA+番外編劇場版と、
言葉を紡ぐことで人々をつなげ、そして感情を取り戻した少女が、
ついに言葉を紡げなくなるほどの感情を爆発させた瞬間を見て、泣かない人間なんているでしょうか。


あらゆる意味で歴史に名を残すアニメーションになると思います。
真の意味でアニマ(anima)を表現した素晴らしい作品だと思いました。


あと、今作に限った話じゃないけど、
今トレンドに入ってる映画が軒並み4点以上の評価を叩き出してて、
コロナ禍にも負けず良い映画を作り出す制作者の皆さんには本当に頭が下がります。

素晴らしい作品をありがとう。
とむ

とむ