ねぎ地獄

ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪のねぎ地獄のレビュー・感想・評価

3.5
1989年、NYの裕福な一族に生まれたペギー・グッゲンハイム。ブルジョワな環境で育つものの、タイタニック号の沈没で父親を亡くしたりと、家族の不幸が重なる。自由を求めた彼女は20代でパリへ渡ると、多くの現代美術アーティストと親しくなり、彼らの作品を買うようになる。まだ世に認められていなかった多くのアーティストのパトロンとなり、見返りを求めることなく彼らの活動を生涯支援し続けた。

彼女は才能を見抜くセンスが鋭く、全くの無名だったジャクソン・ポロックは彼女が見出している。
女性がビジネスをすること時代が珍しかった時代に、ペギーは初めて現代アート美術館を設立し多くの才能を見出し、女性アーティストのみの展覧会も開催したりと、とにかく時代の流れを大きく変えた人物。

また、とっても性にも奔放で、少々周囲が引いてしまうほど自らの性生活を包み隠さず話してしまう。

自分らしく生きること、美術を愛すること、人を見抜くことに長けた方。
人を見抜くという点では、作品購入に関してはマルセル・デュシャンにアドバイスを乞うていたというのもすごい。(彼もまた、世間に評価される前から。)

とにかくさまざまな驚きエピソード。
戦時下でアート作品を守ったり、アーティストを亡命させたり、アートへの愛がものすごく強い。
今ただただ投資目的で現代アート購入している方は、本作を観たら恥ずかしくなるかもしれない。

しかしまさかの食に無頓着というのにはびっくりであった。
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