よし

ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪のよしのレビュー・感想・評価

3.8
資産家の家に生まれ、アートに入れ込んで資産をつぎ込み、近代芸術の象徴とも言える芸術家たちを見出だし支援してきたペギーグッゲンハイムの話。

近代芸術の歴史の勉強にもなりましたが、映画の作りとしても面白い。

ペギーについて様々な人が自分の思うペギー像を語っていきます。
映画の中では誰が正しいかといった検証をすることはなく(多分ペギー自身も全て本当のことを言っているわけではないと思う)、彼らの持つ様々な印象の中に彼女の真実が含まれている。

芸術家のマルセル・デュシャンが
『人が椅子に座っているのを一瞥して、その瞬間、それを描きたいと思うことがアートだ』
と言い、ペギーは彼から『抽象的なものと近代芸術の違いを学んだ』と言っていたと思うのですが、ぼんやりしたものの中から自分が気になるものをつかむという近代芸術のアプローチ方法があり、ペギーを理解するために私たち観客にもそれを行わせる、というすごい映画です。

映像自体も芸術的で字幕を載せるのがもったいない。
吉行和子とかに吹き替えでやってほしいです。
よし

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